「根を張って」
土曜日、山盛りの砂を積んだトラックが園庭にやってきました。減ってしまった砂場と園庭への年に2回の砂の補充日です。トラックが荷台を大きく傾けると砂がザーッと落ちる…はずなのですが、幼稚園では砂場の上のぶどう棚に荷台がつっかえてしまうので、いつも植木屋さんがシャベルでせっせと掻き下ろし砂場に入れてくださいます。砂場には山盛りの砂が入り、デコボコになった園庭もきれいに平らに均してくださいました。 月曜日、子どもたちはたくさんの砂の入ったお砂場を見つけると、「ふっかふか~!」「なんかいつもとちがーう。」と大喜びで砂山に飛び込んで行っていました。
砂入れは寒い日でした。いつも植物の事を教えてくださる植木屋さんが、この日もいろいろなことを話して聞かせてくれました。自分が働き始めた頃は寒い冬には根が伸びないと言われ、木の周りを掘って根を切り、その先に肥料を施したものだったけれど、最近では根をそのままにしておく方が木の成長のために良いということが分かり、切らずに周りに肥料をやるようになったということを聞きました。木は根と根を伸ばしつなげ合いながら、植物同士のネットワークを作り、数十メートル離れた木ともコミュニケーションをしているということでした。虫に食われた時に危険だという合図を送ることができたり(NHK超進化論でも紹介)、別の研究では誰かが木を切ろうと考えただけで、植物はそれを察知して別の植物に知らせるというのです。驚きですね!
大切な根が切られることなく肥料をもらいながら伸び続け、木が大きく育っていくのは人間と同じですね。寒い冬も暑い夏もたくさんの心と体の栄養を受けながら、子どもたちは根を張り続け、土台をしっかりと固め、やがて大きな木となっていくのだなと思った出来事でした。ルーテル幼稚園の子どもたちも、園庭の木々もすくすくどんどん大きくなあれ! 園長 髙瀬眞理子