ようやく開店時間になりました。ここはにじぐみレストランです。かわいいウエイトレスさんたちが澄まして扉の前に横一列に並んでいます。そして手のひらを上に向け、腕を胸の横から前に移動させ、腰を屈めて「いらっしゃいませ。ようこそ、にじぐみレストランへ。」と迎えてくれました。「どうぞこちらへ。お好きなところにお座りください。」と案内されたテーブルの上には色とりどりのランチマットが並び、お皿には本物と見間違えるようなエビフライ、サラダ、焼き鳥、おにぎりやうどん、いくらやマグロ、卵やえびのお寿司、お漬物、飲み物、デザートまでがそろっています。にじぐみではレストランオープンまで1週間ほどかけて、ずっとお店の作品を作りためてきたのです。そしてこの日、お店はようやくオープンにこぎつけ、ほかの学年の子どもたちや先生たちに食べて(!)もらえるようになったのです。大人には泡があふれるビールがふるまわれ、厨房では小さな子ども向けのお子さまランチまで作られています。ジュースが倒れてこぼれてしまったら、すかさず台拭きで拭いたり、お箸が落ちたら新しいものを持って来たり、サービスは上々でした。
子どもたちの、お客さんに対する言葉遣いや接客の仕方は、いったいどこで学んでいるのでしょうか。日常に起こる何気ない出来事を、いつでも子どもたちは少しずつ吸い上げているのですね。年少の時には使えなかった言葉や、できなかった気配りが毎日毎日の小さな積み重ねとなっているのです。 明日から合宿です。3日間の濃密な時間は一層の吸収の時となり、10月にはぐんと大きくなった顔を見せてくれるに違いありません。
レストランの帰り道、食べきれなかったお食事を包んでもらい、大きな箱入りケーキもお土産にもらいました。お腹がいっぱいになり、にじぐみさんの成長に心もいっぱいになってレストランを後にしました。