7月おたより「子どもの考えを尊重するとは」

「子どもの考えを尊重するとは」

6月は幼稚園にたくさんの見学者が訪れました。ルーテルの子どもたちはとてもフレンドリーで、いつも玄関から入ってくる方に「こんにちは!」と挨拶をします。その様子や、子どもたちにおもちゃなどを譲ってもらい一緒に遊ぶ姿を見て、「やさしい子どもたちですね。」と言われるととてもうれしく感じます。これから秋にかけて訪れるお友だちが、たくさんルーテルの仲間になってくれることを願う日々です。 そんな中、先日園の見学に来た方が、園の教育方針や園庭が広いことなどを気に入って入園希望を出されました。けれど直後に電話で「私たちは是非ルーテルに入れたいのですが子どもが別の園がいいというので、子どもの考えを尊重して…」と入園を辞退され、私はとても驚きました。その方が入園しなかったことに驚いた訳ではなく、ご両親が園をとても気に入ってくださったと思えたのに、お子さんのひと声で大人の選択を変えてしまったことにです。
「子どもの考えを尊重する」とはなんでしょう。私は大人の庇護下にある幼い子どもたちは、今はまだ大人の決めた考えや家庭での「きまり」に従うべきと考えます。その「きまり」の中で、自分で考えを選んだり、決められない時には大人が助け子どもが選択するヒントを出すといいのです。「これとこれとどっちがいいと思う」とか、子どもが大人の思いと違う決定を出した時には、一旦その考えを肯定してから「こうなった時はどうかな。」などとふさわしい判断ができる情報を渡すのが良いのではないでしょうか。
 幼稚園は仲間たちと過ごす素晴らしい空間です。そこで自由に過ごすためには、守るべき決まりごとが必要です。遊具を使う時の約束、決められた時間、やってはいけないこと…。「きまり」があるからこそ、みんなが安心してのびのびと遊ぶことができます。だからこそ、たくさんの豊かな発想を生み出し、考え、自分たちで決めていくことができるのです。今はその考える力を鍛えるときです。たくさん鍛えて、大きくなった時に今度はその「きまり」を自分たちが考え、判断と責任をも引き受けていくようになっていってほしいと願っています。                      園長 髙瀬眞理子
7月25日 10:29